一瞬ですべてが決まる
ギリギリの攻防に
ストイックさを感じます。

サッカーと共通する激しさがここにある

「水上の格闘技と言われる理由がよくわかりますよね」。そう感心するように語ってくれたのは、Jリーグ黎明期を支えたレジェンドの一人であり、攻撃的ディフェンダーとして数々の名場面をサポーターの目に焼き付けた“カベソン※”こと小村徳男さん。イベントではじめて訪れたボートレース場では、迫力ある音に驚いたそうだ。ボートレーサー目線で水上を駆け抜ける映像には「このスピード感、すごいですね。あと、コースを取りに行く激しいつば競り合い。サッカーのタックルやポジション取りとよく似ていますよ。ここにもテクニックがありますよね」と共感する。

レース場によって天候や水質などのコンディションが異なるボートレース。「サッカーも風向きや芝の状態がピッチによって全然違うんです。DFの場合、滑ることが命取りですから、芝によってスパイクのポイントの長さを変えたりしていましたよ」と現役時代を振り返る。「どんなコンディションにも対応させる技術・戦術が必要とされるのは、サッカーもボートレースも一緒ですね。ただボートレースは走りだけじゃなく、モーターを調整する技術も問われるでしょう。細やかですよね」。
※スペイン語で「大きな頭」の意味。ヘディングが得意なサッカー選手のニックネームとして用いられる。

スリリングなスタートはそれだけでも見もの

時には自らゴールを決め、自軍のペナルティエリアも死守する。現役当時は攻守ともにマルチな活躍で知られた小村さんがもっとも印象に残ったのは、ボートレース独特のフライングスタート方式だという。「勝敗に影響があるのはもちろん、失敗してフライングをするとレースに参加できない、そうなると自分が稼ぐ賞金にも影響が出る…その一瞬であまりにも多くのことが左右されますよね。DF目線で見ると、ペナルティエリアでカードをもらうリスクを冒しても相手を止めに行くのか、というせめぎ合いそのもの。ギリギリの一瞬にかける姿勢やメンタルに惹かれてしまいますね」。

指導者や解説者としても活躍する小村さんだが、実はサッカー界でも指折りの将棋好き。ボートレースの予想を楽しむ上では、数あるデータをいかに読み解くかも大きな要素であることを伝えると「これだけデータがあると、どのデータを信頼するかも人それぞれ。セオリーというか、自分にとって予想の拠り所とするデータを探るのがすごくおもしろい」と興味津々。「将棋でいう『大局観』も問われるでしょうね。経験上こうなるとこのレーサーが勝ちそう、こういう展開になる、という全体の読み」。ピッチと盤面、両方の戦いに精通する小村さんならではの視点だ。地元の島根にはボートレースチケットショップ松江があるが、ボートレース場はない。そう伝えると「宍道湖っていういい湖があるんですけどね(笑)」と、最後に地元愛をのぞかせることも忘れなかった。

中国エリア 島根県代表 小村 徳男

小村 徳男NORIO OMURA

1969年9月6日生まれ、島根県松江市出身。Jリーグ開幕当時の92年横浜マリノスに入団。98年のフランスW杯1次予選では自ら得点を挙げるなど、守備の要でありながら攻撃的なプレースタイルが多くのサポーターを魅了した。引退後は指導者や解説者の傍ら、地元島根でジュニアフットサル大会「小村カップ」を開催するなどサッカーを通じた地域振興にも努めている。

中国エリア 島根県代表 小村 徳男

島根県データ

  • ボートレースチケットショップ

  • 出身レーサー

    3人

※出身レーサーは、2016年10月31日時点