同じ「勝負」の中で生きている者として、
見ている間ずっと
ボートレーサーの心の動きを
追いかけてしまうんです。

スタート前のレーサーは、何を考えてどう動くのか?

多くのレースでチャンピオンの座に輝き、突出した実力と人気を誇るレーシングドライバーの脇阪寿一さん。ボートレースとの出会いはボートレーサーとの対談がきっかけだったという。「勝負に生きる人間同士、お互いに興味津々で時には熱く時には冷静にいろんなことを語り合いました」。

「僕はスタンディングスタート※が苦手だったんですよ」と話し始めた脇阪さんはこう続けた。「だからボートレーサーがスタートに向かっていくときの感覚に、すごく興味がある。スタート前の精神状態のきつさは、僕自身も何度となく経験してきた。そんな中でぴったりイメージ通りにモーターとプロペラを合わせていくために、ボートレーサーはどんなことを考えてどんな決断をしているんだろう」。

自らの戦い方について「反射的な感覚ではなくて、一つずつ考えながら詰将棋をやっている感覚でレースに臨んでいる」という脇阪さんは、「車のセッティング、路面コンディションや気候の読み方などを始め、一回のレースの中にいくつもの要素がある。そのうちの何か一つでも間違えた方向に進めてしまうと、最終的にうまくいかないんです」と話す。「ボートレースを見るときは、いつもレーサーの頭の中をのぞくような感覚。今何を考えているんだろう、次はどう動くんだろうって見つめていると、いつまでも興味が尽きません」。
※カーレースなどで行われる、グリッドに停止した状態から一斉にスタートする方式

ほんのちょっとしたことが勝負の行方を左右する

「子供の頃から負けず嫌いでした」と話す脇阪さん。「身体が小さかったので、勢いだけで迫っても勝てない。与えられた道具で勝負に勝つためにはどうすればいいのかをいつも考えていました」。当時は道具イコール身体だったが、16歳でバイクの免許を取ってエンジン付きの乗り物という新しい道具を手に入れた。「たとえば100馬力のエンジンと人間が戦ったとしたら、個人の力では絶対に勝てない。でも、そういう大きな力を持ったものをコントロールすることはできる。それが嬉しくてエンジン付きの乗り物への憧れが大きくなっていったんです」。その想いが、やがてレーシングドライバーへの道を歩ませることになった。

「ボートレースもモーターやプロペラという道具があるから、年齢や性別を超えた勝負ができるという面があると思う。若いパワーが勝つのか、ベテランの経験がそれを打ち負かすのか。レースの前の心理戦やレース中の様々な駆け引きも含めて、ちょっとしたことで結果が左右される。そこが非常におもしろいところです」。

近畿エリア 奈良県代表 脇阪 寿一

脇阪 寿一JUICHI WAKISAKA

1972年7月29日生まれ、奈良県奈良市出身。1996年に全日本F3選手権でシリーズチャンピオン獲得。その後、フォーミュラ・ニッポンを始めとする国内外の数々のレースにおいて第一線のレーシングドライバーとして活躍。モータースポーツの発展のために車の開発やイベントへの参加、若手育成にも積極的に取り組んでいる。

近畿エリア 奈良県代表 脇阪 寿一

奈良県データ

  • ボートレースチケットショップ

  • 出身レーサー

    4人

※出身レーサーは、2016年10月31日時点